2021.11.05 機能紹介

【非認知能力をどう測る?】非認知能力が学校教育にもたらす効果とは?

海外で話題の「非認知能力」

「非認知能力」は学校でのペーパーテストでは測れない能力とされています。今日では、米心理学者ルイス・ゴールドバーグが提唱した「ビック・ファイヴ理論」を始め、様々な性格測定の尺度を活用した評価が行われています。

今回は、非認知能力の測定方法とその結果をどのように活かしていけばいいのかということをご紹介していきます。

非認知能力とは?

従来の学力テストでは、読み書きができることや数字を理解できるなどの能力を測定しています。これらは「認知能力」と呼ばれています。

一方の「非認知能力」はテストでは測定できない能力といわれています。

具体的には、自分自身を理解する「自己理解」や他者や社会を理解する「社会/他者理解」、自分自身の感情を統制する「セルフマネジメント」、対人コミュニケーションにおける能力「対人関係スキル」など、内面的なスキルの総称です。

非認知能力はどう測定したらいいのか?

テストでは評価できない非認知能力をどのように測定し評価していけばいいのかをご紹介します。

 

パーソナリティ測定の歴史

「非認知能力」は、人間の内面に関わる能力です。そのため、非認知能力の評価にはパーソナリティ測定の尺度が広く用いられてきました。

【パーソナリティ測定尺度(※1)】
・主要5因子性格検査(BigFive)
・児童・生徒向け主要5因子性格検査
・YG性格検査(矢田部-ギルフォード性格検査)
・MMPI(ミネソタ多面人格目録)
・MPI(モーズレイ性格検査)
・エゴグラム

パーソナリティ測定尺度としてはこれらが挙げられます。

また、学校教育では、教員による評価も併用されてきました。日々の業務の中で、生徒のパーソナリティを評価したうえで指導を実施してきました。

しかし、行動経済学者リチャード・セイラーは、データ分析の場合に評価は客観的なデータから行わなければ結果が歪んでしまうと指摘しています。つまり、教員による評価やアンケートによる評価は、評価者や回答者の主観に頼る評価になってしまい、正しい評価を行うことができません(※2)。

同様に非認知能力の測定も、主観だけに頼る評価ではなく、客観的なデータを活用した評価が必要であることを意味しています。

(※1)小塩真司編著(2021)「非認知能力 概念・測定と教育の可能性」北大路書房、2021年8月発行
(※2)デジタルクロス(2018)「データ分析における心理的側面の深いつながり【第13回】

 

非認知能力の測定

非認知能力の大きな課題は、その定義が曖昧な概念な点にあります。

そのため、行動心理学・分析学の観点から人間がどのような行動するのかという点から評価していきます。つまり、非認知能力の要素をそれぞれ定義(行動定義)を設定したうえで、それらを基にしたアンケート調査を行い、評価していくことになります。

このような評価方法は多くの企業で取り入れられてきました。

しかし、アンケートによる評価は回答者の主観に寄った結果になってしまう傾向があります。そのため、客観的なデータを授業などから取得して反映させることで、より正確な非認知能力の測定が可能になります。

非認知能力の測定結果をどのように活用するのか

「非認知能力」を測定し評価した結果をどのように活用していけばいいのか、その一例をご紹介します。

 

探究学習への活かし方

探究学習への活かし方を検討していきます。

探究学習の目的は、生徒や子どもたちの探究心を育てることにあります。しかし、それらの評価方法は教員による主観に頼ってきました。

それに対し、非認知能力の評価は、(間接的に活用することが可能な客観的根拠になる理由の説明が必要だと思います)すなわち、探究学習の評価の視点として間接的に活用することが可能といえます。探究心を育んだ結果として、生徒の学習意欲や進路や未来への希望、モチベーションの向上を目指しています。

つまり、探究学習によって育まれた探究心は、結果的に非認知能力の向上を呼び起こしているため、探究学習の教育評価として非認知能力の測定を活用することも可能です。

 

生徒への関わり方の見直し

非認知能力の測定結果から生徒のパーソナリティ特性を発見することが可能です。

例えば、これまで各教員の主観に任されてきた生徒のパーソナリティ評価が客観的な評価に代わります。それにより、属人的に行ってきた指導やコーチングを客観的な視点から見直すことができ、再現性のある指導を行うことが可能になります。

生徒の学習意欲を向上させるためには?

生徒の進路選択をより正確な意思決定にしていくためには?

こうした学校教育ならではの悩みを生徒のパーソナリティ特性に基づき、より有効な支援やコーチング方法を客観的に検討することが評価を活用することで可能になります。

まとめ

非認知能力は非常に曖昧な概念です。

そのため、その評価に際しては行動定義を定めたうえで、その定義に基づくアンケート調査による主観的データと、授業への回答や探究学習への取り組みから客観的なデータを取得することで総合的な評価が可能です。

また、測定結果を探究学習や生徒への関わり方への見直しにどのように活かしていくのかを検討してきました。

Edv Futureでは、こうしたアセスメント・アンケートの回答結果から、非認知能力の評価を行います。その調査結果に基づき「総合的な探究の時間」を活用して「非認知能力」を育成することが可能なカリキュラムを提供しております。

未来ある子どもたちがこれからの変化の激しい社会を生き抜くために必要な「生きる力」を育成するために支援いたします。

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